同人サークル「不法投棄」

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ライナーノーツ「拝啓ラヴクラフト様」

2021年12月25日 (筆者:中島真也)

「拝啓ラヴクラフト様」

オス。中島です。


新規シナリオとして「拝啓ラヴクラフト様」を制作しました。
『クトゥルフ神話TRPG』を遊ぶプレイヤーである探索者たちが、クトゥルフ神話を題材にしたツアーに参加し、恐ろしい事件に巻き込まれる…と言うシナリオです。


テストセッションにご参加頂いた全3陣、10名のPLの皆様には、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。癖の強いシナリオにお付き合い感謝です。また、今作のNPCアイコンは不法投棄メンバーが担当しています。宜ければお使い下さい。


今作は、サークルにて公開中の作品(21年12月25日現在)とは毛色がかなり異なります。具体的には、『クトゥルフ神話TRPG』に対するメタ要素の強いシーンや、辛辣な台詞が登場します。人を選ぶ内容なので、精査の上、相手を選んでプレイして頂けると幸いです。

10月に公開した長編、「大平安狂時代 〜柄流蛇に導かれし者〜」と比べると、何時もの店で何時ものラーメン食いたいのに精進料理出てくんの?てな感じだな。あれ大将、代替わりした?

後勿論フィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。苦情は一切受け付けないスタイルで行きたい所存。


以降は、ネタバレを含めた軽い解説です。目を通す際はご注意を。



あとがき

まず、本シナリオには神格は一切登場しません。全て人間が悪い。ホラー映画の「実際は霊より人間が怖いよね?」に近い。


『クトゥルフ神話TRPG』に魅入られた男が、自分勝手なシナリオを作り上げ、周囲を巻き込んでプレイして行きます。なので、ギミックや意味深な伏線らしい物自体には、何の意味も在りません。考えさせ、怖がらせる事に意味が在ります。


読んで頂ければ分かりますが、かなり表現の辛辣な部分が有ります。特に最後。誰かを批判したり、何かを伝えたい意図はなく、ただ感情が吐露された結果です。
正直、作者の気持ちがこうして色濃く滲み出たシナリオは、自分でも最悪だと思います。だってさぁ、国語の授業で作者の気持ち考えろなんて知らねぇよ馬ー鹿ってね…。


──少し話させて頂くと、このシナリオは「昔、大学生の時分、初めて何も知らずに遊んだTRPGが一番面白かったのかも知れんな。」という感情から来ています。そのシナリオも、離島の洋館が舞台でした。強く鮮明に覚えています。

クトゥルフという存在を知り、古典的なシナリオ──それこそ「悪霊の家」だったりを遊び、勝手に飽き、勝手に考察とかをして…未だ見ぬ神格のシナリオを、変わり種のシナリオを、新しいモノを探そう探そう。目新いロールプレイを、映えるロールプレイを、なんて…。


逃げようとしても、逃げていると錯覚するだけで。元から離れて行く分、吸い寄せられる。そんな風にさえ感じます。

とどの詰まり、「悪霊の家」の様な古典的なシナリオは今でも面白いし、思い出深いのは最初のなんよね、と思った今日この頃の俺です。


まあ何だ。このシナリオは、作者から皆へのラブレターです。返事は伝説の樹の下で待ってます。


NPCに関して

桑田優子(くわたゆうこ)

桑田くわた優子ゆうこ(Illustrated by Hiyu Chimaki)
出版社の編集長。エンドAに到達する為には生存必須の重要人物です。ただし、基本的には第三者の立ち位置で、積極的に絡んでは来ません。探索者が行き詰まったら〈図書館〉等で助力しても構わないと思います。
演じ方としては、冷静に物事を判断しますが、オカルト知識の高さから洋館での出来事を呪いではと考えます。事件に巻き込まれている雰囲気を醸し出しましょう。また、クトゥルフにはそれ程興味が無いので、探索者H02が騒ぎ始めたら、探索者H01に「あんな感じなんだね。」と感想でも吐露しておきましょう。


小田孝康(おだたかやす)

小田おだ孝康たかやす(Illustrated by Hiyu Chimaki)
出版社の先輩社員。30歳前後。どう足掻いても最初に死にます。
初日の夕食後に舞台を降りるので、然程気にする必要も無いですが、兎に角嫌な先輩を印象付けましょう。


森田道地(もりたどうち)

森田もりた道地どうち(Illustrated by Kuemu)
出版社の社員。22歳。シナリオ上、舞台から降りる前提ですが、ロールプレイやダイスの状況次第では生存します。
職務にはボチボチ熱心ですが、やりたい仕事を出来ずに気持ちやさぐれています。その為ツアーにも乗り気ではありません。自ら動く事はせず、早く警察の助けが来て欲しいと考えています。


桑田修史(くわたおさむし)

桑田くわた修史おさむし(Illustrated by Sakai Tamaki)
出版社の社長。60歳前後。関西弁。


横山拓人(よこやまたくと)

横山よこやま拓人たくと(Illustrated by Sakai Tamaki)
配信者。25歳。生存ルートもありますが、テストセッションでは全て見殺しにされました。そういう奴です。
初めはクトゥルフ神話のシナリオを書き遊んでおり、ロールプレイは…等と語ります。いざ事件が起こると、調査や探索の一切を否定。警察に任せろと制止したり、殺人犯を恐れて独り部屋に戻ろうとしたり、挙句「クトゥルフ馬鹿共がッ!」と暴言を吐きます。死に際は呆気ない演出を心掛けましょう。作者は、「うッ」と小さく声を漏らし絶命させました。


虹島あかり(にじしまあかり)

虹島にじしまあかり(Illustrated by Kuemu)
オンライン小説家。19歳。エンドAに関わる人物です。
編集長と同様にオカルト知識を持ち、事件が起きてからは呪いではないかと吹聴します。
事件自体は俯瞰して見ており、小説として書き残そうと考える等、変な所で肝が据わった一面も。クリエイタ気質だな。また、努めて話し掛けはしませんが、応対はキチンとします。


増子博文(ますこひろぶみ)

増子ますこ博文ひろぶみ(Illustrated by Sakai Tamaki)
オカルト系ブロガー。20歳。事件が起こり洋館に戻った際に薬物を盛られます。状況次第では生存しますが、難易度高めです。
初めこそ快活に話ますが、盛られて以降は幻覚の影響もあって押し黙り、時に不安を口にします。演じ分けを心掛けましょう。


喜緑敬(きみどりたかし)

喜緑きみどりたかし(Illustrated by Madomiya Kichi)
洋館の管理人にして黒幕。80歳。イメージは○部寛。(言われれば似てる雰囲気を描くのが非常に大変でした。by 窓宮吉)
最後まで優しいお爺さんで居て下さい。怒る事も泣く事もありません。喜緑自身が特別そう演じている訳ではなく、等身大の性格です。彼は、シナリオ通りの行動を取っておけば問題ありません。


雨零繋(うれいしげる)

雨零うれいしげる(Illustrated by Madomiya Kichi)
元小説家のホテルマン。50歳。
事件は殺人犯に依る作為的なものと考えていますが、かつて自身の書いた小説に沿って進行している事に気付き、最後は自らが殺人鬼と化してしまいます。次第に動揺し、狂気に駆られてゆく様を意識すると良いでしょう。


KPをされる方へ

一本の道筋に沿ったシナリオですが、探索者の行動如何によっては、死者数が変わってきます。
「大平安狂時代 〜柄流蛇に導かれし者〜」の様な攻撃は受けて倍で返すキーパリングではなく、受け身で対応しましょう。NPC個々人のロールも大切ですが、シナリオ全体を俯瞰して見ると回し易いと思います。


探索中は、捏ねくり回すのもアリですが、イベントを発生させる際は考える隙を与えず一気に走り切って下さい。SAN値もガシガシ減らすと臨場感が出ます。また、NPCたちの人となりが重要になる為、情報を与える際も出し惜しみせずに伝えましょう。


例によって、遊ぶ相手は良く選んで下さいね…。何かあっても苦情は受けられません。

以上です。困った事、質問については中島までよろしくお願いします。